
こんにちは。
海鳥です。
もの凄く元ネタの分かりづらい題名でごめんなさい。
前職では某スポーツ新聞で13年ほど記者をしていました。
この写真は記者時代にたぶん100万枚は見たであろう取材写真の中で一番印象に残っている写真です。
パッと見は何が何だか分からないと思います。
でも写っている女の子たちの笑顔、素敵じゃないですか?
実はこれ、今から8年前の2002年にアフガニスタンで、同行のカメラマンが撮ったものです。
当時は現大統領のカルザイ氏が混乱のさなかに暫定大統領になった頃で、ハッキリ言ってまだ戦時中でした。
このあたりのエピソードはそれこそ本が1冊書けそうなくらいありますが、またの機会に譲ります。
さて、この写真の話に戻ります。
場所は首都カブール。
授業が再開されたばかりの女学校です。
アフガニスタンはご存じの通り、アフガン戦争の前はタリバーンによって統治されていました。
タリバーンはもの凄く乱暴に言い切るとイスラム原理主義組織です。
よーするにコーランの教えが絶対の正義。
我々の視点からすると思いっきり男尊女卑です。
よって、それ以前にあった女学校を取り壊してしまったわけですね。
タリバーン政権がアフガニスタンを制圧していたのは諸説あるものの、だいたい1996年から2001年の5年間。
その間、アフガニスタンの女の子たちは教育の機会も奪われていたわけです。
2001年9月11日。
いわゆる「9・11同時多発テロ」を契機に米国を中心とした多国籍軍はアフガンに攻撃を仕掛けます。
これに関して現在では賛否両論あるのはご承知の通り。
しかし少なくとも自ら望んだわけではなく教育を奪われた彼女たちにとって、「あの戦争」による「解放」は幸せだったに違いありません。
写真は女学校の壁に穿たれた穴からレンズでのぞき込んだアングルで撮影されています。
カメラで撮られることはおろか、それまではイスラムの厳格な、いやタリバーンの厳しすぎる統制の下で、スカーフでかわいらしい顔すら隠さなければいけない生活を送っていた彼女たちです。
レンズを向けられている事を知ったとたんに、はにかんだ笑顔を浮かべていたのがとても印象的でした。
不思議なことに、この素敵な笑顔って世界中どこに行っても共通なんですよね。
国も民族も宗教も飛び越えたすばらしい宝物です。
彼女たちは言っていました。
「将来は教師になってアフガニスタンを支える子供たちを育てたい」
「将来は医者になって地雷で苦しむ人たちを支えたい」
「将来は外交官になって戦争のない世界を作りたい」
彼女たちの学舎は空爆と攻撃ヘリの機銃掃射で穴だらけでした。
すべての理不尽を笑顔で押し包み、1冊の教科書を回し読みする少女たち。
希望にあふれていると一途に信じながら未来へまっしぐらに歩んでいる彼女たち。
その姿はかわいらしい外見とは対照的に神々しいまでの強さで覆われていました。
別に説教めいたことを言うつもりはありません。
でもエアコンの効いた部屋でダラダラしている自分に気づくと、瞬間的に彼女たちのひたむきな瞳と笑顔を思い出します。
俺ももっと頑張らなきゃなあ。
(株)フェザンレーヴ さんの投稿 投稿時: 21:42
